『痒いところに手が届かない、いっぱい漫画評論』

美味しんぼ』 41巻 原作・雁屋哲、作画・花咲アキラ 
『本格科学冒険漫画20世紀少年』 7巻 作・浦沢直樹
『白兵武者』 1〜3巻 原案・蝶野正洋 作画・石渡治
水惑星年代記月娘』 作・大石まさる
『死化粧師』 1巻 作・三原ミツカヅ
ジゼル・アラン』 2巻 笠井スイ
信長の忍び』 4巻 作・重野なおき
さらい屋五葉』 8巻 作・オノ・ナツメ
東方茨歌仙 〜 Wild and Horned Hermit.』 1巻 原作・ZUN 漫画・あずまあや


これだけの漫画を一日で買ってしまいました。一応ブックオフを利用しているとは言え、一日で野口英世さん達が飛んで言ってしまいました…。お金より本が大切とは言え、少し自分の性に不安になってきます…。とりあえず、買った漫画の説明でも。






美味しんぼ
ジャンル分けするとしたら料理漫画だけれど、味勝負をしたり審査員の反物理的なリアクションをとったりとかはせず、環境問題下の食材の現状や料理の本質を探求していくことが主に描かれています。でも、あまり堅苦しいことはなくシリアスが入っていないときは寧ろ大味なくらい。それに、掲載雑誌もあれなので貧乏飯合戦なんて話も結構あります。ちなみに、山岡が時々出してくる某劇画作家ってのは作者のことでいいのだろうか…。


『本格科学冒険漫画20世紀少年』
映画にもなった有名な漫画。浦沢直樹先生の漫画は大きな話の中から一話ずつ切り取っていってるって感じで全体の筋を掴みにくいのですけれど、映画みたいに淡々と流れていく感じは他の漫画ではなかなか無いので癖になると思います。ちなみに、原作の方には友達マークの頭巾を出てこないみたいです。


『白兵武者』
読み終わってから気付いたのですけれど、これはロレス漫画みたいです。普通に読んでいると、ただのかなり歴史漫画らしい拳法漫画なんですけれど、読み進めていくと女子プロレス団体みたいなのが出てくるし、仕舞には猪木さんのアントニオ抜きが出てきました…。ただの歴史漫画じゃ似たような物が多いので確かにインパクトがあるけれど、プロレス漫画としてみればいいのやら歴史漫画としていいのやら、あるいみアバンギャルドな表現方法です…。でも、普通に愉しんで読める漫画ですよ。


水惑星年代記月娘』
とにかく浪漫溢れる漫画です。内容は簡単に言ってしまうと、生粋の月育ちの女性が火星行きを目指して色々と頑張る話。それはともかく、この手の近未来SF漫画で面白いところは作者によって世界観が全然違うところ。この漫画ではあまり派手な近未来の産物らしい物は出てこないけれど、現実的ながらも宇宙へ地に足付けて飛び出していこうという感じがして凄くロマンチックなんです。連作物らしいのだけれど、前巻を読んでなくても分かる内容みたいなので色々と大丈夫な漫画です。


『死化粧師』
宇仁田ゆみ先生みたいに絵で線は少ないのだけれど、全体的にインクっぽく結構べた塗りされている様な絵柄。エンバーマーという死体に修復・保存処理・殺菌を施す仕事の男、間宮心十郎が主人公の話です。基本的に間宮は結構目立っているけれど、毎回登場人物に物語があって間宮が必要になって毎回すれ違って行く感じです。


ジゼル・アラン
時代設定はは良く分からないけれどクレープとかチンチン電車とかがあるころの石造りの建物の多いヨーロッパが舞台です。毎回の話の流れは、主人公のアパートの大家兼何でも屋のジゼル・アランが家賃の滞納の多いエリックを伴って依頼をこなしていく感じ。でも、飽くまでも依頼をこなすのが話の要点というわけではなく、元お嬢であまり年端もいかないジゼルが色々な知らないことを経験したり大人とぶつかったりして、子供であることの葛藤が描かれている作品です。ちなみに、絵柄や毎回後日談が付くところが森薫先生に似ています。


信長の忍び
これの作者の重野なおきといったら今四コマ漫画界で一番金の臭い、もとい一番熱い漫画家です。この人の漫画は、登場人物はかなりデフォルメされているけれど描き分けしっかりとされているし、それぞれが魅力的なキャラクターを持っているけれど、ネタはそれに頼りすぎていることは無いのでホントにちゃんと笑える面白さを持っています。これは、ゴールデン枠でアニメ化すれば結構がっぽがっぽなんじゃないかねぇ…。さて、お金の話はともかく、この信長の忍び。これの凄いところは四コマ漫画なのだけれど本格的な歴史漫画なところです。いや、単に他で殆ど見ないってゆうのもあるけれど、どっかん言わせる所は言わせて締めるところはちゃんと締める、かつてのジャンプみたいに、まさに熱い漫画なんですよ。


さらい屋五葉
説明するとしたら、拐かしを生業とする義賊、五葉の弥一に用心棒として雇われた浪人・秋津政之助が五葉に加ることになって、他の訳ありの仲間達と関わっていく漫画、でしょうか。オノ・ナツメ先生の絵柄は独特で、見たら分かるって言えたら早いのですけれど、物や背景の線があまり真っ直ぐじゃなくて筆ペンでわざと急いで描いたような絵って感じです。いや、勿論決して下手な分けじゃなくて巧く説明できないというか何というか…。


東方茨歌仙 〜 Wild and Horned Hermit.』
これは東方projectという一連のゲーム作品を元に描かれた漫画です。東方についてここで説明すると長くなるので表面だけさらっと言うと、少女が酒を呑んで皮肉を言い合っているシューティングゲームです。それでこの漫画は、仙人らしい茨木華扇という人が、その酒呑んで皮肉を飛ばす少女を諭そうとする話です。だけど、この作品の面白いところは、神社の巫女が根底に持つ神道的な物の見方とかから、SF的なことを宗教的な話に置き換えて説明したり実現しようとしたりする所なんです。金山彦命の力を借りてパラジウム合金を作り出して常温核融合を起こして、そのエネルギーで鍋を作ろうとする所なんかは、浪漫が溢れてホントに心が奮えます…。








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